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令和3年度入試学力検査問題[令和3年3月5日17時以降に掲載予定]


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令和3年度 高校入試
【国 語】
    概略
  • 設問の構成と配点は昨年と変化なし。
  • 大問3は古文が出題(昨年は漢文)。
  • 大問4は文章量がやや減。
  • 大問5では文法が出題(動詞の活用の種類)。
  • 全体の難易度は,かなり易しめだった昨年に比べると平均点は下がる見通しですが,それでも60点を超える程度になる模様。
傾向分析
大問1は聞き取りの問題でした。ある中学校の環境委員長と生活委員長の発表をもとに,設問に答えるものでした。ほぼ例年通りでしたが,(3)では「おはよう」という言葉を使って標語を作る問題が出題されました。挨拶に関する内容は生活委員長の発言の中にあり,生徒たちの活気のない挨拶を改善しようとする意見が述べられています。これを踏まえた標語を作れるかがポイントでした。
 大問2は漢字の読み書きでした。読みの問題で「鋳造(ちゅうぞう)」がやや難しかった程度で,他は答えやすい内容でした。
 大問3は古文の問題で,『枕草子』からの出題でした。(1)は歴史的仮名づかいを現代仮名づかいに変換する問題,(2)は動詞の動作主を答える問題で,古文では頻出の問題が出題されました。(3)は「小童」が気の利く者だと評価される理由を記述してまとめる問題でした。(1)と(2)に比べると難しめですが,しっかり本文内容を理解できれば十分に対応できるレベルでした。
 大問4は,今野真二『「広辞苑」をよむ』からの出題でした。昨年度に比べて,文章量がやや短くなりました。(1)は助詞の「に」の識別の問題でした。副詞や形容動詞の語尾と混同しやすいため,要注意です。(2),(4),(5)は本文内容をまとめた文の空所に当てはまる内容を記述する問題でした。いずれもそれぞれの傍線部と同じ段落の中に正解が含まれていましたので,答えを見つけやすかったかと思われます。
 大問5は,川端裕人『風に乗って,跳べ 太陽ときみの声』からの出題でした。(1)は4つの動詞から活用の種類が他と異なるものを選ぶ問題でした。変格活用を除くと,動詞に「ない」をつけることで五段活用・上一段活用・下一段活用の判別が可能だということを利用すれば答えられます。(2),(4),(5)では登場人物である「華」の心情を問う記述問題でした。前半は生徒会役員の選挙への立候補を辞退した「華」の気持ち,後半は公園で泣いている子を見つけたときの「華」の気持ちをそれぞれ把握する必要がありました。
 最後の大問6は作文の問題で,トルストイとアインシュタインの名言から「生き方」をテーマに意見文を書くものでした。第一段落では「生き方」の違いについて両者の名言から気づいたことを,第二段落では気づいたことを踏まえて自分の意見をまとめるよう指示されていました。大問4や大問5では時間がかかるため,先に作文を書いてしまうのも有効な作戦です。
 昨年と比較すると,大問の数と配点は昨年度と同じでした。大問3は昨年度の漢文から今年度は古文に変わった点以外は,大きな変化は見られませんでした。平均点が高かった昨年度(70.7点)に比べると平均点は下がる見込みですが,今年度の平均点は60点を超える程度かと思われます。
阿部

【英 語】
    概略
  • 設問の構成と配点は昨年と変化なし。
  • 大問1はリスニング (27点)
  • 大問2はメニューを見ながらの対話 並べ替え英作文、20語以上の自由英作文(14点)
  • 大問3は日本を訪れているニックとアメリカのお父さんとの電話の対話文。 対話完成英作文 、適文選択。(13点)
  • 大問4はスミス先生が授業で話した内容。適切な数字や日本語を書く問題、英問英答、英作文。(21点)
  • 大問5は長文問題。タロウが祖父やアミとのやり取りを通して学んだこと。英文を完成させる問題。適語選択。指示語を日本で答える。(25点)。
  • 全体の難易度は,昨年も易しめで平均点は58.7でしたが、問題文の語数が少なくなっていることや、必要な構文が比較的選びやすかったため、平均点は例年並みか,若干上がり60点前後になる模様。
傾向分析
大問1のリスニングです。(1)の問題は英語の説明と質問を聞いて適切な絵や表現を選ぶ問題です。アはサッカーの試合をテレビで見ていた。動詞に注目しましょう。イは音楽室の机の下に本を見つけた。場所を表す語に注意する必要があります。ウは英文の状況から「お手伝いしましょうか」と声をかけてあげます。(2)は、ジョンの自転車に関するスピーチを聞いて質問に答える問題です。ア ジョンの始めて自転車に乗った年齢、イ ジョンにとって自転車が役に立つ理由、ウ 誰の自転車に普段乗っているか、など選択肢に注目して、あらかじめ必要なことをメモする必要があります。放送された英文が昨年の63語から今年は68語でほぼ同数でした、内容はほぼ例年並です。(3)はピーターとサトコの対話の一部を聞いて、質問に答える問題です。アは、話題からどこで彼らが会話をしているか、イは対話からピーターの誕生日を答える問題でした。借りられる本の数や、サトコの誕生日から同じ日で翌月のピーターの誕生日の日付を答えるために、必要な情報をメモする必要があります。(4)は外国語指導助手の話と質問を聞き取り、自分の考えを英語で答える問題です。「家族と何について話すか」と問われている内容を正しく理解した上で、聞かれた疑問文の形を使って適切に英語で表現する力が必要でした。
大問2はアメリカのあるレストランでの接客係のローブさんと留学生のジュンイチとの対話です。資料と英文の問題でした。語数は昨年の169語から、184語と若干増えました。(1)は英文の意味が通るように、与えられた語を並べかえる問題です。アは長い形容詞の最上級を使った疑問文の問題です。イ長い形容詞の比較級を使った肯定文の問題です。ウは熟語「look forward to」の現在進行形を使う英文です。 (2)の対話の流れから適語補充の問題です。留学生のジュンイチに「あなたは日本の出身ですか」とローブさんが訪ねていますから「from」となります。 (3)は「紹介したい日本の文化について一つ」紹介する自由英作文です。昨年からの20語に語数が増えています。「紹介する日本の文化の名称はローマ字でもよい」の条件に注意して、英作文を書く問題でした。
大問3は、野球の国際交流のために日本を訪れている高校生のニックと、アメリカに住んでいるお父さんとの電話での対話です。(1)は電話での対話が成立するように英文を書く問題です。アは次の文の「12時間かかった」が過去形が答えになるような「どのくらいかかりましたか。」と時間をたずねる疑問が必要です。イは次の文で「どのように変えたのか」と質問しているから、「私はそれを変えた」と事実を述べる過去形の文を作ります。ウは前の文で「私は質問があります。」次の文で「彼らは~と言いました。」と答えるような「彼らは何と言いましたか。」のような疑問詞+疑問文が必要です。(2)は電話での対話が成立すように最も適切な英文を選ぶ問題です。Aは後の文に「分かります。他のチームメートがあなたの方向性を受け入れないときに、私たちはみな同じではないということを覚えているべきだ。」とお父さんが述べているから、1の「チームメートの何人かは僕の方向性を受け入れないんだ。」を選びます。Bは前後に「リーダーは時々孤独です。」「わかった。僕は最善を尽くします。お父さんありがとう。」とありますから、3の「でもおまえにこの経験があれば、いいリーダーになるでしょう」となります。
大問4は、外国語指導助手のスミス先生が、北海道・北東北の縄文遺跡群について中学生に話した内容についてでした。語数は昨年の232語から217語と少し減少しました。(1)はスピーチの内容と合うように、適切な日本語や数字を書く問題です。アはスミス先生が日本に住んでいる年数を数字で答えます。イは「儀式のような特別の目的のために使われた」という話題の前に述べられていたのは「日常生活」で使われたものについて答えます。ウは「世界中の」人々にとって大切である、という最後の段落に注目します。(2)は英語の質問に英語で答える問題です。1の「なぜスミス先生はそのアルファベットを容易に理解することができたか」のは直前の「それは英語で書かれていた。」という分に注目し、理由を述べる「Because」で始める必要があります。2の「(ボランティア活動で参加している)地元の高校生たちはこの経験から何を得るでしょうか。」に対して、第2段落の最後の文で「彼らは重要な場所についての考えるための機会を得るでしょう。」を選びます。3は「スミス先生は、日本の縄文遺跡群を守る必要があると考えていますか。」と疑問詞のない疑問文に対して、「Yes, he(主語の代名詞) does.」と答えます。(3)は日本文を英語で書く問題です。1は「私には学ぶべきことがたくさんあります。」と「形容詞的用法の不定詞」を使う英作文です。2は「私は、すばらしいものを人々に見せること楽しむでしょう。」は「未来形の動詞+動名詞」の形を使う英作文です。
大問5は、去年と比べ長文の語数が392語と同数でした。高校生のタロウが祖父やアミとのやりとりwp通して学んだことについて書いた文章についての問題です。(1)は本文の内容と合う英文を完成させる問題です。アは「タロウの演奏の後、祖父は思った、」に、3の「タロウは笛を上手に演奏できた」を、イは「タロウがアミのために伝統音楽を演奏した時、」に2の「彼女はうれしくなって立上がった。」を、ウは「アミは~ので悲しそうに見えた」に4「彼女はほかの部分を演奏できなかった」を、エは「タロウが祖父の家を出ようとしたときに」に、1の「タロウは祖父の言葉に驚いた。」を選びます。(2)は、本文の内容と合うように英文を完成させる問題です。アはタロウが毎日和笛を「4 練習している」。イはタロウとの練習の最後に、彼女はタロウに一緒にいて「5 楽し」かった。ウは「タロウは祖父のように学び続けたい。」から2を選びます。(3)は下線分の表している内容を日本語で具体的に書く問題です。「もう一つの大切なこと」から、第4段落で、祖父の言った2つの内容から、「もし自分の好きなことをしているということを忘れなければ、難しいことを楽しむ力を得られる力を得られるということ」となります。各段落の構成やつながりを押さえて、短いかたまりで英文を読み進める必要がありました。
出題形式、問題量とも若干の増減はありました。長文の語数が減ったり、昨年の英作文と比べると、全体的には、平均点は若干上がると思います。           
                
蝦名

【数 学】 
    概略
全体として,基礎が多く,解きやすい問題が多くあったと思われます。 また,近年は問題の文章量が多い傾向にありますが,今年度も文章量が多く,読解をスムーズにできたかどうかが高得点のポイントです。 大問の構成・配点に大きな変化はありませんでした。 難易度は昨年度並み(昨年度平均点54.7点) ここ数年,平均点が40点台になることが多く,昨年は比較的高めの平均点でした。 今年度も昨年並みの平均点になると予想されます。
傾向分析
大問1 (43点)小問集合  出題傾向・難易度ともに例年通りでした。(6)の空間内の平面についての選択,(8)の座標平面上の円周角と円の中心座標が新傾向でした。
大問2 (13点)整数の証明,確率  (1)は整数の証明問題でしたが,穴埋め問題で内容も基本的なもので,それぞれの空欄に何を入れるかの指示もあり,とても解きやすい問題でした。(2)の確率の問題は,樹形図や表をかいて,場合の数を数えれば容易です。イの最も起こりやすい事象の選択が新傾向でした。
大問3 (16点)空間図形,平面図形  (1)は立方体を切断してできる三角錐の体積と側面の糸かけ問題でした。どちらも基礎問題で途中計算も易しいです。  (2)は正三角形を用いた平面図形で,アの合同証明(穴埋め)は正三角形の性質のみを根拠とするもので容易でした。イは辺の長さを2種類の文字で表し,定義された長さを用いて辺の長さを求める新傾向の問題でした。イの(イ)の問題は難易度が高めですが,アで証明した合同な図形の性質やイの(ア)で表したものを利用する誘導形式の問題でしたので,前問をヒントとして解きましょう。
大問4 (11点)関数のグラフと図形  前半の(1),(2)は基礎問題,(3),(4)はハイレベルの問題でした。グラフの問題に三平方の定理を用いる問題はここ数年に見られませんでしたが,久しぶりに復活しました。面積を二等分する問題は手順を踏んで三角形の面積を利用しましょう。
 大問5 (17点)一次関数の利用(ダイヤグラム)  (1)のグラフの読み取り,(2)アのグラフの作図は基本レベルで,(2)イと(3)は応用レベルでした。(2)アで作図したグラフをうまく利用すると,後半の応用問題を解くヒントとなります。(2)アが正しくかけるかどうかが問題を解くポイントとなります。
佐々木

【社 会】
    概略
  • 大問構成は,大問1,2が地理,大問3,4が歴史,大問5,6が公民,大問7が融合問題と例年通りで,配点も大幅な変更はなかった。
  • 記述問題は4題に減少し,配点12点と例年の3分の2ほどに減少。
  • 難易度は昨年並み。
傾向分析
大問1は世界地理(アジア州と北アフリカ州)になっている。 地図から大陸の名称や緯度・経度の読み取らせる問題,輸出額の資料から中国を選択させる問題,輸出入のグラフからカナダ,アメリカ,メキシコの関係を記述させる問題などが出題されていて,これまでの入試で出題されているような問題になっている。
大問2は日本地理(近畿地方) になっている。 (2)に日本三景の天(あまの)橋立(はしだて)が出題されているが,資料の写真から天橋立が海に面していることが読み取れると答えられるようになっています。(4)の資料から兵庫県を表しているものを選択する問題では,兵庫県は,米や畜産の生産が近畿地方の中で高いことが理解できているかがポイントになっている。
大問3は歴史(古墳~江戸時代) になっているす。 王や豪族の墓である「古墳」,摂関政治に関する人物である「藤原道長」,徳川家光が定めた「参勤交代」を答えさせるなど例年に比べると易しめになっている。また年代の並べ替えも3つなので難易度が下がっている。
大問4は歴史(明治~戦後) になっている。 大問3と同じく「ポーツマス条約」,「ニューディール(新規まき直し)」,「八幡製鉄所」など,よく出題される用語が出題されている。農地改革を説明させる記述問題も例年の記述問題に比べると易しいと思われる。
大問5は公民(国会と内閣) になっている。 (4)のドント式の計算によって当選者4名を選ぶ問題が,今回の社会の試験で唯一の計算問題になっている。また,(6)の国会が国権の最高機関になっている理由を記述させる問題も,今回の入試の記述問題の中では答えにくい記述問題になっている。ほかの大問に比べると大問5の難易度は高くなっているようだが,それでも例年と同程度の難易度になっていると思われる。
大問6は公民(経済) になっている。 (3),(4)の選択問題は細かいところまで覚えていないと答えられないようになっている。(5)の流通の合理化を説明させる記述問題も資料から読み取れることをそのまま記述できると正解になるようになっている。
大問7は融合問題になっている。 地理・歴史・公民の融合問題。(1)の佐藤栄作が行った政策を選択する問題では,日ソ共同宣言やサンフランシスコ平和条約の年代を覚えていないと答えにくい。また,(5)の南アフリカ共和国を答えさせる問題も,アパルトヘイトだけが答えるヒントになっているなど,やや答えにくい問題が出題されている。(4)の雨温図の読み取りは例年と出題傾向が変わったものの,読み取りやすい熱帯の雨温図になっている。
猪股

【理 科】
概略
  • 大問1 生物・地学小問集合(18点)
  • 大問2 化学・物理小問集合(20点)
  • 大問3 生物・中2 動物のなかま(17点)
  • 大問4 化学・中3 水溶液とイオン(塩化銅の電気分解)(15点)
  • 大問5 物理・中1 力のはたらき(圧力,浮力)(15点)
  • 大問6 地学・中1 地層(岩石の性質,化石,地層の対比)(15点)
設問構成は例年通り。配点は前年比で大問1がマイナス2点,大問3がプラス2点で,他は例年通り。 難易度は昨年並み(昨年度平均64.8点)。基本的な設問が多く,対策を十分に行った受験生には解きやすい試験であったと思われる。
傾向分析
大問1の生物・地学小問集合は,(1)が植物の生殖のしくみ,(2)が蒸散,(3)が気象要素の表し方と湿度,(4)が太陽の南中高度と季節変化に関する出題であった。(1)~(3)アは基礎的な語句や知識を問う設問で易しい。(3)イは湿度表からの湿度の読み取りと,水蒸気量の計算の2つを行う必要がある。数値はシンプルなため,それぞれの解法は易しいが,論理展開の点からやや難しい。(4)アは夏至のときに太陽の南中高度が高くなることから,より南側の軌道で太陽が日周運動するという誤答が目立つ設問である。暗記のみではなく,現象の説明を行うことを心がけたい。
 大問2の化学・物理小問集合は, (1)が混合物の蒸留,(2)が鉄と硫黄の化合,(3)が陰極線の観察,(4)が振り子の力学的エネルギーに関する出題であった。大問1と同様に基礎的な語句や知識を問う設問が多い。(3)イは反応する量に過不足があることや,鉄と硫黄の化合する質量の比を文章中から読み取る必要があるため,難しい。(4)は位置エネルギーが「質量と高さに比例する」ことを利用できるかが正解のポイントとなる。
 大問3は中2生物領域から動物のなかまに関する出題であった。せきつい動物をA~Eの5種類に分けており,会話文からそれぞれの動物のなかまを分類できるかが高得点のポイントとなる。動物のなかまに関する総合的な知識が求められるが,内容は基礎的なものが多く,易しい。(6)は「イモリ(両生類)」と「ヤモリ(は虫類)」の違い,「コウモリ(ほ乳類)」,「ペンギン(鳥類)」の分類が間違えやすく,やや難しい。教科書に記載されている生物は覚えるようにしたい。  ※青森県の公立中学校で採択されている教科書「中学校 科学(学校図書)」では,ペンギンとワシが鳥類であるという記述はない。ペンギンは章末問題等に掲載されているが,ここも出題範囲とするならば,受験生はしっかりと解いておくことが望ましい。
 大問4は中3化学領域から塩化銅の電気分解に関する出題であった。(1),(3)は基礎的な内容で易しい。(2)は密度を用いて溶液の質量を求め,さらに濃度を用いて溶質の質量を求めるため,やや難しい。(4)(5)はイオンの数の比や物質の質量比の問題である。イオンの数や塩化銅の質量比はあまり解き慣れていないと思われ,難しい。平成27年度入試に類題がある。  ※この実験では,発生した塩素は水に溶ける(「中学校 科学(学校図書)」では,水に溶けやすい気体と記載)。水に溶けると次亜塩素酸と塩化水素を生じるため,水溶液中の塩化物イオンの数が理論的に求められるとは言い難い。
 大問5は中1物理領域から圧力,浮力の実験に関する出題であった。(1),(2)アは基礎的な内容で,計算問題も教科書の例題と同様のもので易しい。(2)イは「水中に入っている物体の体積が大きいほど浮力は大きい」という関係を用いるため,やや難しい。水中に入っている物体の高さ(2.5 cm)は等しいため,底面積が大きいときほど体積が大きく,浮力も大きくなることに気付けば解きやすい。  ※(1)アは,スポンジは弾性が大きく,ばねと同様に「弾性力」としてもよいと思われる。ちなみに,教科書では垂直抗力も弾性力の一種として考えている。
 大問6は中1地学領域から地層に関する出題であった。(1), (2)は基礎的な内容で易しい。(3)は示準化石の特徴を選択する設問で,やや難しい。(4)は柱状図の対比の設問で,苦手とする受験生が多い。本問は水平な地層であるため,傾いた地層の設問と比較すると難度はやや下がる。柱状図の地表面に標高をメモすると解きやすくなる。
木村